部下の結婚式で新郎(新婦)の上司として挨拶を頼まれて、快諾したものの
スピーチ自体初めて・・・なんて口が裂けても言えない
上司というだけで、失敗するわけにもいきませんし、「さすが!」と思わせないといけないですよね。
経験不足は練習で補うしかない!そんなスピーチの基本と、上手に話すコツをお伝えしたいと思います。
基本となる上司としての挨拶
結婚披露宴で上司がスピーチをする場面はいくつかありますが、
1.「新郎側の主賓」挨拶
2.「新婦側の主賓」挨拶
3.「乾杯の挨拶」
という順番が一般的な流れになります。最近では、主賓と乾杯の挨拶を新郎と新婦側で1人ずつ立てるというスタイルも多いですね。
上司という立場であれば、この3つのスピーチいずれかをお願いされます。
まずは、ご自分のスピーチがどのタイミングで話すものなのか、他にどんなゲストがスピーチをするのか(職位や人数など)を確認するようにしましょう。
基本的にどの挨拶でも、スピーチ自体は以下のような流れで話します。
①自己紹介
②祝辞
③僭越の陳謝
④新郎(新婦)の仕事ぶり、人物紹介、ふたりにまつわるエピソード
⑤新郎新婦へのメッセージ
⑥結びの言葉
この流れで長くても5分程度にまとめます。
文字にするとだいたい1200字~1600字が目安です。
結婚式にふさわしいとされない、「忌み言葉」や「重ね言葉」は最初にしっかりと抑えておきましょう。
忌み言葉とは、「切れる」「別れる」などお祝いの席にふさわしくない言葉です。
重ね言葉は「くれぐれ」「たびたび」「皆々様」といった結婚を繰り返す連想を与える言葉もNGです。
以上の流れと注意点を含めて、参考になる基本例文を1つご紹介していきましょう。
上司の挨拶として「鉄板」のスピーチ文例
【自己紹介】
ただいまご紹介に預かりました、新郎○○くんの勤務先上司にあたります、△△でございます。
【祝辞】
○○くん、●●さん、ご結婚おめでとうございます。また、○○家ならびに●●家のご両親様、またご家族ご親族の皆様にも心よりお祝い申し上げます。
【僭越の陳謝】
諸先輩方をさしおきまして、たいへん恐縮でございますがご指名ですのでひと言ご挨拶を述べさせていただきます。(新郎新婦が立席の場合は)どうぞご着席ください。
【新郎(新婦)の仕事ぶり、人柄】
弊社はシステム開発設計会社として多岐にわたる製品の開発に取り組んでおりますが、私どもの部署は、法人向けのプリンターにかかわる開発を担当しています。
○○くんには、商品の企画および評価などの業務に携わっていただいております。
○○くんとは、彼が当社に入社して5年来のお付き合いとなります。
日ごろの○○くんの日々の仕事ぶりですが、真面目、そして積極的に尽きます。
「企画」というと、華やかなイメージを持たれる方が多いのではないかと思いますが、実際は資料作りがメインの実に地道な作業の積み重ねです。
ですが、○○くんは、率先してアンケートの集計や、会議の資料作りなどを引き受けてくれて、非常に熱心であると同時に細かいところまでよく気がつくなぁと感心することもたびたびです。
また、○○くんをご存知の方はよく知っていらっしゃると思いますが、彼は熱い性格の持ち主でもあります。
その熱意で、成績の振るわなかったある期には部署全体を巻き込んだキャンペーンを発案してくれ、おかげで目標に到達することが出来た。ということもございました。
○○さんも、そんな○○くんの性格を頼もしく感じていることと思います。
この度、●●さんという素晴らしい伴侶に恵まれまして、○○くんは、これからますますの情熱を持って仕事に邁進することと思いますが、
どうか家に帰ってきたときには、○○くんがほっと安らげるような家庭を築いて欲しいと思います。
【新郎新婦へのメッセージ】
これからふたりは結婚生活を築いていくわけですが、僭越ながらこのような場でお話させていただく機会をいただきましたので、
家庭を持つ先輩として私から一言だけアドバイスをさせていただきます。
今日からお二人の生活が始まるわけですが、長い結婚生活の中には楽しいこと、嬉しいことばかりではなく、時にはつらいことや悲しいことがあると思います。
ですが、ひと頃流行語にもなりました「おもてなし」にも通ずる、この相手を思いやって行動する心は、グローバル化が進む世界の中でも日本人特有のものだと言われています。
つまりわたしたち日本人の誰の中にもある心ですので、決して出来ないことはないと思います。
そんな「おもてなし」は夫婦生活でもおなじこと。
どんなときにもお互いへの思いやりの気持ちを忘れず接していただきたい、それがお二人の末永い幸せを願う私の気持ちでもあります。
【締めの言葉】
以上、簡単ではございますが、私からのお二人へのはなむけの言葉とさせていただきます。○○くん、●●さん本日はおめでとうございます。
当日のスピーチで緊張せずに堂々と話すコツ
スピーチは「何を話したか」よりも、「相手に伝わること。」が重要です。
原稿を読みながらスピーチをするのは、決してマナー違反ではありませんが、どこか弱々しく単調になってしまうことは否めません。
自分の言葉でスピーチを考え、文章を覚えるぐらい練習をすること
当日に緊張せずに堂々と話すには、当たり前と思うかもしれませんが、これなくしてははじまりません。
また、どんなに素晴らしいスピーチでも、早口や消え入るような声でぼそぼそと話していては内容は伝わりません。
とはいっても、当日になると大なり小なり緊張してしまうのは確実です。
そこでおすすめしたいのが、
カラオケボックスを利用してマイクを使いながら発声やスピーチの練習すること
できるだけ、当日話す状況に近いかたちで練習することは非常に効果的です。
最近では1人専用のカラオケルームも増えていますから、一昔前よりも1人カラオケがしやすい環境になりましたので、
こうした場所を活用して、実践に近い練習を積み重ねていくのが、当日緊張せずに堂々と話すコツとなります。
「上司からの挨拶」というと、金言、格言めいたお話や、年長者からのお説教じみたアドバイスのイメージがあるかと思いますが、
人生の先輩として新郎新婦にお祝いのメッセージを述べる
このスタンスを基本として、結婚披露宴という場にふさわしく、上品で温かいメッセージが送れるように頑張ってくださいね!